▼東証の取引時間延長 東京証券取引所は11月5日に現物株取引の終了時間を午後3時から午後3時30分に延ばす。株式売買システム「アローヘッド」の更新に合わせて実施する。延長後の取引時間も米欧の主要取引所よりなお短い。

検討のきっかけは2020年10月1日の大規模システム障害だ。全銘柄の売買が終日できなくなった反省として、障害時に少しでも取引時間を確保できるように延長に向けた議論が始まった。これまでも延長を協議したことがあったが、作業工程の変更が迫られる証券会社や資産運用会社の反対で頓挫してきた。今回は市場参加者の共通の利益の観点から合意に至った。

ファクスの利用停止やシステムを使った自動処理を浸透させることで、株価の終値の確定が遅くなっても投資信託の基準価格などを迅速に算出できるようにした。取引終了間際の売買代金が増加傾向にある点を踏まえ、終値を決めるための「クロージング・オークション」と呼ぶ時間帯も3時25分から30分に設ける。5分間は株価が動かず注文のみを受け付ける。

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