暗号資産(仮想通貨)交換業者でつくる日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)が25日、法定通貨に連動するステーブルコインの自主規制団体として金融庁から認定された。資金決済法に基づく同コインの取扱業者を金融庁とともに審査する役割を担う。自主規制団体ができたことで、発行・流通に向けた環境が整った形だ。
ステーブルコインとは法定通貨や金など裏付けとなる資産を担保に発行し、価格が大きく変動しないよう設計された電子決済手段を指す。日本では発行者を銀行や資金移動業者、信託会社に限定した改正資金決済法が23年6月に施行され、仮想通貨から切り離す形で定義づけられた。
国内にはステーブルコインと称したデジタル通貨はあるが、改正資金決済法に基づく電子決済手段としてのステーブルコインはまだ存在しない。法律に準拠した同コインを取り扱うには、自主規制団体と金融庁の審査を受け、裏付け資産の管理体制やマネーロンダリング(資金洗浄)対策などに問題がないと認められる必要がある。
改正資金決済法では発行者に発行総額を預金などで資産保全するよう義務付けたため、海外で発行済みのコインに比べて信用力が高くなる。海外にはテザーやUSDコイン(USDC)などがあり、国際送金などに使われている。
国内では3メガバンクが国際送金にステーブルコインを活用する仕組みの構築を検討している。フィンテック企業のJPYC(東京・千代田)なども発行に向けた準備を進めている。24年度中には第一号が発行されるとの見方が強い。
JVCEAはこれまで、仮想通貨の自主規制団体として活動してきた。ステーブルコインは法律上、仮想通貨とは異なる位置づけとなるため、団体名を日本暗号資産等取引業協会に改名することも決めた。
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