<この人 永島智子さん 55歳>  流通やサービスなどの労働組合でつくる最大の産業別労組UAゼンセン(組合員約190万人)の会長に就任した。「物価上昇に負けない賃上げが必要」と強調する一方で、「実質賃金を上げるにはいまのやり方は不十分」と話す。  会長に選出された9月の定期大会でも「賃上げシステムを変えていく必要がある」と持論を展開。「会社の業績が悪いと賃上げできない」という慣行があるため、「(賃上げさせるための)何らかの強制力が必要」との考えを示す。

女性の働き方などについて話す産業別労働組合UAゼンセンの永島智子会長

◆労組がないグループ企業の賃上げ手法を確立

 目を付けたのが、政府、労働界、経済界の代表者が集う政労使会議だ。「会議に強制力を持たせて物価上昇を上回る賃上げ率を定め、日本全体の全雇用労働者に適用する」というアイデアを披露する。  夢物語ではなく、イオン労働組合連合会の会長として、会社側と労働協約を結んで賃上げ率を定め、労組がないグループ企業にも適用する方式を確立させた実績もある。  将来は、このようなやり方を「社会全体に広げたい」との思いがある。「労組があるところだけじゃなく、あまねく労働者が賃上げの恩恵を享受できるようにしたい」と意気込む。(渥美龍太) 

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