▼企業年金 企業が退職した従業員に支払う年金のことで、公的年金に上乗せする形で支給する。日本の年金制度は3階建て構造になっており、1階部分がすべての国民が対象の国民年金、2階部分が会社員などが対象の厚生年金保険、3階部分が企業年金に当たる。企業年金には企業が従業員と給付内容を約束する「確定給付型」、加入者自らが運用し運用成績で給付額が決まる「確定拠出型」がある。

企業年金の主流である確定給付型は運用の責任を企業が負い、運用成績が悪ければ不足分を企業が穴埋めする。格付投資情報センター(R&I)によると、2023年度の確定給付企業年金の運用利回りは約9%と3年ぶりの高水準となった。円安や株高が追い風となり、母体企業の財務負担の軽減につながった。

確定給付型は一般に企業年金基金などが運用方針を決め、生命保険会社や信託銀行、投資顧問会社などに運用を委託する。政府は8月、年金基金など機関投資家向けの行動規範「アセットオーナー・プリンシプル」を策定した。運用目標の設定に加え、人材確保、ステークホルダーへの情報提供などを求めた。これを受けて年金基金が運用会社に対し、議決権行使や投資先企業との対話状況について説明の充実を求める動きが出ている。

【関連記事】

  • ・企業年金、23年度の積み立て最高 従業員へ還元の動き
  • ・攻めのiDeCo、老後を守る 株式投資信託に運用シフト
  • ・メガ信託、逃し続けた運用立国の主役 企業統治の旗手へ

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。