日銀は21日、国内の金融機関の3割程度が生成AI(人工知能)を利用しているとの調査結果を発表した。融資にかかる稟議(りんぎ)書の作成や取引先との面談記録の要約などに利用している事例が多かった。業務の効率化やコスト削減を主な目的としている。
同日公表した「金融システムリポート」の別冊でまとめた。大手行、地銀、信金など155の金融機関を対象に4〜5月にアンケートした。日銀が金融機関の生成AI利用に関して調査をするのは初めて。
生成AIをすでに利用している金融機関に加え、試行や検討も含めるとおよそ8割の金融機関が利用に前向きな姿勢を示した。
主な利用分野としては「文書の要約」や「文書の校正・添削・評価」などが挙がった。「システム開発・運行管理」を目的とする金融機関もあった。システム設計書の漏れなどを見つけ、システム障害を未然に防ぐための手段として利用しているという。
現時点で生成AIの利用を試行していない、または検討していないと答えた金融機関は2割弱だった。人材不足で管理体制が整備できないことが主な要因となっていた。
生成AIを巡っては金融機関が入力した情報が外部に流出するリスクも考えられる。入力した情報を適切に管理できるシステム環境を整えたり、入力データに制約を設けたりして対応しているとみられている。
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