「新しい事業をやるしかなかった」。そう語るのは、1970年創業の印刷会社の稲満信祐社長(48)。コロナ禍で売り上げが減る中、2021年7月から漫画や動画の制作を開始。70社以上の企業から制作依頼を受け経営危機から脱した。3月には東京商工会議所の「TOKYO YEG AWARDS 2023」の奨励賞にも選ばれた。  もともとは「印刷だけやる下請け」だったが、価格競争の影響も受け「社長になった15年には手元資金が1カ月分しかなかった」。打開策として始めたのが、漫画を1コマずつ紙芝居のようにつなげた音声付き動画などの制作。大手製薬会社の食品を紹介する動画も作った。「漫画動画を冊子にしたいという需要もある。印刷をやっていることも強みに変える」


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