決算について説明する京都FGの土井社長(14日、京都市)

京都銀行を傘下に持つ京都フィナンシャルグループ(FG)が14日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が315億円だった。23年10月に持ち株会社に移行する前の京都銀の23年3月期と比べて16%増えた。企業からの貸出金利息収入や個人からの新NISA(少額投資非課税制度)などの手数料収入が拡大した。

純利益は26年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画で目標としていた300億円を上回った。同日記者会見した京都FGの土井伸宏社長は「将来的に純利益で500億円を目指す新たな成長戦略を検討し始めた。固まり次第公表する」と話した。中期経営計画の上方修正も視野に入る。

24年3月期は、売上高にあたる経常収益は11%増の1376億円、経常利益は14%増の435億円だった。京都銀行の預金と譲渡性預金の期末の残高は3%増の9兆4148億円、貸出金の残高は7%増の6兆7263億円だった。大企業を中心に金利水準が徐々に上がっており「金融経済の正常化が業績の追い風になる」(土井社長)とした。

25年3月期の配当予想は年60円とした。24年1月1日時点で1株を4株に分割しており、分割後ベースで5円の増配となる。23年まで2期連続で株主提案を受けていた英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズからは、24年6月の定時株主総会に向けた提案はなかったことも明らかにした。

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