野村ホールディングス(HD)は14日、7年後の2031年3月期に税引き前利益を5000億円超に引き上げる目標を発表した。24年3月期の2739億円から8割を超える伸びをめざす。富裕層向けビジネスや資産運用など安定した事業を広げ、変動の大きい法人向けでは資本の追加投入を抑えた効率的な運営に切り替える。
同日に開いた投資家向け説明会で明かした。自己資本利益率(ROE)を24年3月期の5.1%から31年3月期に8〜10%以上に上げる方針も示した。奥田健太郎グループ最高経営責任者(CEO)は「将来に向けた布石、次の収益源となる新たな取り組みを立ち上げなければならない」と強調した。
個人向け事業は富裕層ビジネスを一段と強める。投資銀行部門との連携を深め、企業の持ち株会の運営や上場会社の主幹事業務を通じた将来の富裕層の開拓に注力する。スタートアップの経営者らの獲得も新たに社内の数値目標に組み込む。
資産運用部門では未公開株や不動産といったオルタナティブ(代替)資産の比率を高めて継続的に収益を底上げする。株式や債券を組み込んだ伝統的な商品の運用報酬の低下に備える。
傘下の野村信託銀行を成長部門の柱に新しく組み込んだ。株式や不動産を担保にした融資を底上げし、富裕層への提案の幅を広げる。奥田氏は「第4の部門となるべくグループ内の連携を強化し、独立した銀行として成長していけるようにする」と話した。
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