世界遺産・国宝の姫路城(兵庫県姫路市)の入城料について市は6日、現行の1000円を2000~3000円程度に値上げする方針を市議会本会議で明らかにした。外国人観光客に限定して値上げを検討していたが、実務的に区別が困難なため、市民を除いて一律に引き上げる。市民は現行程度を維持し、18歳未満は市民以外も無料(現行300円)とする。
2025年3月議会に具体的な料金を盛り込んだ条例改正案を提出し、26年春ごろの実施を目指す。市によると、2000円台は天守閣に入る料金としては国内最高額になる。
入城料を巡っては、清元秀泰市長が6月、国際会議の関連シンポジウムで長期的な維持・管理費に充てることを念頭に「外国人観光客は30ドルくらい、市民は5ドルくらい」と言及。その後の記者会見で「外国人観光客に一定の負担を求めることは海外では常識だ」と説明した。
市によると、15~24年度の10年間で城やその周辺の維持管理・保存修理などの経費は約145億円。25年度からの10年間は、これを上回る経費が必要となることが確実という。値上げ分はこうした経費に充てる。
市民にとって城は身近な憩いの場所で清掃ボランティアを続けている人も多い。窓口で市内在住である証明書を提示してもらう方法を想定している。一方、教育施設の側面もあることから18歳未満は無料とする。
23年度の入城者数は約148万人。うち有料入城者は約137万人で、入城料収入は約11億2000万円だった。24年度もほぼ同じペースで推移しているという。【村元展也】
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