来場を呼び掛けるゆうくん(右、小林祐介さん)とマットさん(大内真智さん)=水戸市五軒町1の水戸芸術館で2024年4月23日午前10時31分、鈴木敬子撮影

 水戸芸術館(水戸市五軒町1)の専属劇団に所属する小林祐介さん(43)と大内真智さん(45)による読み聞かせユニット「ゆうくんとマットさん」の舞台「かいじんハテナ?」が5月3~6日、同館ACM劇場で一般上演される。チェコ・プラハを拠点に世界各地で公演する人形劇師、沢則行さんがデザイン、制作した人形が登場し、歌や影絵もある。「親子で作品を見て語り合う機会を作ってもらえたら」と来場を呼び掛けている。

 2人は2011年の東日本大震災後、「子供たちの元気をサポートしたい」とユニットを結成。同館や幼稚園などさまざまな場所に出張して行う読み聞かせのほか、絵本や児童書をもとにしたオリジナルの舞台を制作し、12年から上演している。

 12回目の今回は、同名の絵本(舟崎克彦作、スズキコージ絵、小学館)が原作。物語は、ある日突然「ボク」の前にへんてこな「怪人ハテナ」が現れ、次々と難しいなぞなぞを出す。答えられないとトイレに行かせてくれず、ボクはお漏らしをしてママに叱られてしまう。舞台化を模索しながらも「(ハテナの)演出的にピンと来るものがなくて」(小林さん)しばらく温めていた作品だという。

 23年7月に沢さんが同館で公演した際、2人が手伝いをしたのをきっかけに、今回のコラボレーションが実現。小林さんは「沢さんと出会って(次回作は)これしかないと思った。人形劇プラスアルファで面白い作品になっていると思う」と話す。

 大内さんは今回の舞台を「スパイス強めだけど味のあるカレー」と例える。逆境で生まれるエネルギーの大切さに目を向け、子供たちを叱咤(しった)激励するような舞台だという。「スタッフ一丸となって子供たちと楽しい時間を作ることを目指している。劇場で思い出に残る体験をしてもらえたら」と話している。

 推奨は3歳以上。上演時間は約50分。公演は4日間とも午前11時から。3日と5日は午後3時からの回もある。大人2800円、小学生以下1500円。親子向け割引チケットもある。問い合わせは同館チケット予約センター(029・225・3555)。【鈴木敬子】

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