取材陣の要望で歌舞伎町のホスト風ポーズを決める(右から)中村虎之介、中村勘九郎、中村七之助、中村鶴松 (水沼啓子撮影)

「歌舞伎町大歌舞伎」公演が5月3日から、東京・新宿に昨年開場した東急歌舞伎町タワーの「THEATER MILANO-Za」で上演される。出演する中村勘九郎、中村七之助、中村虎之介、中村鶴松が公演について語った。

歌舞伎町の地名は、戦災復興事業の一環として歌舞伎の劇場誘致を図っていたことから命名された。劇場建設は実現しなかったが、エンターテインメントの中心地として発展してきた。

勘九郎は「(中村)獅童さんが歌舞伎町で歌舞伎を上演していて、歌舞伎町は人間の欲と野望が渦巻く場所なので、なかなか合っているなと思った。いつか新宿地区で歌舞伎をやりたいと思っていたので、本当にうれしい」と話した。

上演するのは、荒事の豪快さと華やかさを併せ持つ舞踊「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」、雷一家の騒動を一人で踊り分ける舞踊「流星」のほか、落語「貧乏神」を題材にした世話狂言の新作歌舞伎「福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)」。

「特殊な場所で演じるにあたって、僕らのホーム『歌舞伎座』でやる演出のまま歌舞伎の魅力、底力というものをぶつけてみようじゃないか、ということで今回、こういうラインアップになった」(勘九郎)

「福叶神恋噺」について七之助は「落語での貧乏神は男性だが、(女形の)僕が主演ということもあり、貧乏神は女性になった。そのことで(取りついた男と)恋愛感情が生まれるのでは」。虎之介は「お客さまの層も違い、普段とは違った感じになると思うので楽しみにしている」と笑顔で語った。

鶴松も「歌舞伎町での歌舞伎にお兄さんたち、虎之介さんとご一緒させていただけることをうれしく思う。トップバッターとして虎之介さんとともに、若い力で盛り上げていきたい」と意気込んだ。

5月26日まで。問い合わせは、チケットホン松竹(0570・000・489)。(水沼啓子)

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