グラフィックデザイナーの原研哉さん=2024年10月28日午前8時50分、小松やしほ撮影

 2024年秋の褒章受章者が2日付で発表され、紫綬褒章に選ばれたグラフィックデザイナー、原研哉さん(66)が取材に喜びを語った。

 無印良品や蔦屋書店、松屋銀座など企業のVI(ビジュアルアイデンティティー)開発、日本文化発信拠点のプロデュース、えりすぐりの国内スポットを紹介するサイト運営、展覧会のキュレーション……手がける仕事は多岐にわたる。

 「その道一筋に研さんを積まれてきた方が受章するものと思っていたので、総合的なところを評価いただいたのだとすれば、しっかり見ていただけているんだなと、うれしく思います」 本質を見極め、可視化する――。そのデザイン哲学は余白を生かしたシンプルな作品に表れている。「みんなが驚くような形を示すことがデザインだと言われがちだが、むしろそぎ落とされて残るものがデザインの本質だと思う。それを見定めていくと、おのずと装飾のないものになっていく」

 来年開幕する大阪・関西万博では、海洋汚染防止をテーマとしたパビリオンの総合プロデューサーを務める。「(1970年の大阪万博で人気を博した)月の石ぐらい価値あるものをつくりたい」【小松やしほ】

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