映画「釣りバカ日誌」シリーズやNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」など数多くの作品に主演し、存在感ある演技で人気を集めた俳優、西田敏行さんの訃報を受け、親交のあった俳優らから追悼のコメントが寄せられた。
ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)シリーズで長年共演し、今年12月には劇場版の公開を控える米倉涼子さんは「突然の訃報に接し、言葉もありません……一昨日写真をのせるからね!と話したばかりなのに。悲しすぎて悲しすぎてまだ信じられません」とつづった。
西田さんが出演した複数のドラマの脚本を手がけた宮藤官九郎さんは「悲しいです。たくさん笑わされ、たくさん泣かせていただきました。どんな役のどんな台詞(せりふ)も、絶対に面白くしてくれたし、いつも全てをさらけ出してくれました。本当に悲しいです。お疲れ様でした!」とのコメントを発表した。
西田さんが主演した映画「学校」シリーズの山田洋次監督は「喜劇のヒーローを演じる役者をぼくたちは失った、という喪失感の中にいます。いくつになっても福島弁の抜けない、懐かしい人柄。小太りの肉体・響きの豊かなバリトンの声、愛嬌(あいきょう)のある目元、ヨーロッパではこういう役者をクラウンというそうだが、あの姿がもう見られない。悲しく思っています」とコメント。「学校」シリーズについては「企画の最初の段階から西田さんをイメージにおいていたし、彼なしにはつくれなかった。『釣りバカ日誌』シリーズもこの人がいなかったら成り立たなかったはず」とした。
映画「釣りバカ日誌」シリーズで夫婦役として共演した浅田美代子さんは所属事務所を通じ、「あの元気ないつも笑顔の浜ちゃんが亡くなってしまうなんて、どう信じたらいいのでしょう。浜ちゃん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました」とコメントした。
西田さんが出演した映画「アウトレイジ」シリーズで監督などを務めた北野武さんは「西田さんの体調がよくないことは知っていたので、ずっと心配していたけど、悲しいことになってしまった。がっくりしています。本当にいい役者だった」としのんだ。
映画「陽はまた昇る」などで共演した渡辺謙さんは「また大好きな先輩を失った」として、「いつも現場ですれ違うたびに、あんたは偉いね、いろんなとこで頑張っていて、と褒めてくれた。あの笑顔が、今も忘れられない。寂しいです」と悼んだ。
西田さんはバラエティー番組でも活躍した。2代目「局長」として出演した視聴者参加型番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送テレビ)などで共演した間寛平さんは「『ナイトスクープ』『釣りバカ日誌』では大変お世話になりました。プライベートでは食事にも連れて行ってもらい、2歳しか変わりませんが人間としての器が大き過ぎて、僕にとっては大先輩に感じていました。西田さん、本当にありがとうございました」と感謝の思いをつづった。
劇団青年座の座員として、俳優としてのキャリアをスタートさせた西田さん。青年座の舞台で共演した高畑淳子さんは「ついこの間、お元気な姿を拝見したばかりだったので、突然の事に驚いています。西田さんには若い頃からたくさんの事を教えていただきました」と感謝。「ご飯を食べたり、お酒を飲んだり、お話をしていると、自分も西田さんと同じように自由に芝居ができるような気になったものです。あの時間がもう持てなくなったのかと思うととてもさびしいです」と悲しんだ。
青年座の後輩で演出家の宮田慶子さんは「なんと急に逝(い)ってしまわれたのでしょうか……。私たち後輩にとって、いつもタフでヤンチャで酒好きで、心も体もでっかい偉大な兄貴でした。何より芝居への愛とこだわりとしつこさを、身を持ってしっかりと教えてくださいました」と振り返り、「ご一緒した稽古(けいこ)場のことや、たくさんの居酒屋や、笑顔や厳しい横顔や……きりがありません。我々には想像もつかないたくさんの現場で長い年月を戦ってきた兄貴……。どうか、ゆっくりと休んでください」との言葉を寄せた。
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