[東京報道プラス][アクロス沖縄](207)森田レベッカさん(15)=英国出身

 「誰とでも仲良くなれる社交的な性格」が道を開いてきた。父親の出身地の英国で生まれ、日本に移り住んだのは8歳。日本語の読み書きができず苦しんだが、すぐに友達ができ、どんどん吸収していった。役者としては一転、「物怖じしない性格」と評価され、芸能界入り。初出演のドラマでも「たくさんの俳優と関われて楽しかった」と屈託がない。夢は演技派俳優。「沖縄を舞台にしたお芝居もやってみたい」と声を弾ませる。

 母は沖縄出身の俳人、森田笑母さん。英国に住んでいた頃から、ゴーヤーチャンプルーや沖縄そばが食卓に上がっていた。今でも大好物だ。ウチナーグチも教えてもらい、ルーツの沖縄を意識して育った。

 初めて沖縄を訪れたのは3歳だったと思う。空と海の青が、とてもきれいだったのを覚えている。以来、毎年のように家族で訪れている。「初めて会うのに、友達のように接してくれる沖縄の人たちの優しさが好き」と笑顔を見せた。

 父親の仕事の都合で、2017年に英国から東京に移住。日本語はあいさつ程度しかできなかったが、友達と遊ぶうちに覚えていった。

 「社交性」を武器に、地域で開かれるみこしや、流し踊りにも積極的に参加。幅広い年齢の知り合いもできた。

 映画好きの両親の影響で、俳優を志す。芸能事務所が運営するワークショップに通い始めてすぐに、物怖じしない演技力がスカウトの目にとまり、2021年から芸能活動を始めた。

 今年4月には全国放送のドラマ「JKと六法全書」に初出演。収録した3カ月間は夢のようだったとする一方、「学びも多かった」と振り返る。

 朝早くから夜遅くまで撮影スケジュールが詰まっているのに、先輩俳優たちは法律に関する専門用語が入った長セリフをよどみなく披露する。「見えないところで相当な努力をしている」と実感した。

 撮影の合間には、番組をPRするSNS動画も撮って編集まで手がける。「プロってすごい。私も頑張らなくちゃ」と励みになった。演技の勉強に加え、読書や映画鑑賞など、日頃のインプットにも力を入れている。

 好きな俳優は、世界的に人気のジェニファー・ローレンス。米アカデミー賞も受賞した演技派だ。「他の俳優の演技を手放しで褒める素直さも魅力」とする。海外での活動も目標の一つ。「語学も磨きたい」と英語と日本語の勉強も日課にしている。

 本名の「朱里(しゅり)」は、沖縄で暮らす祖父が首里城にちなんで付けてくれた。首里城を初めて訪れた時、自分の名前にも使われている朱色に感動した。

 「特別な名前。ずっと沖縄とつながっているように感じる。きっと沖縄でもお芝居ができると思う」と笑顔を見せた。(東京報道部・照屋剛志)

 もりた・れべっか 2009年、英国生まれ。東京在住。本名は森田朱里。趣味はダンス。TikTokやYouTubeをまねて、友達と踊るのが「とっても楽しい」。

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