パレスチナ自治区ガザ地区出身で、2009年のイスラエル軍の攻撃で娘3人を失ったパレスチナ人医師の半生を追ったドキュメンタリー映画「私は憎まない」が26日から鹿児島市で、11月8日から熊本市の映画館で上映される。最愛の娘たちを奪われながらも、武力による報復ではなく、イスラエル人とパレスチナ人の共存を求めてきた医師の姿を描く。
主人公の医師はイゼルディン・アブラエーシュさん。ガザで暮らしながらイスラエルの病院で産科医として働いていた09年、自宅が砲撃され、娘や親戚を殺害された。その後、カナダに移住して大学教授を務める傍ら、中東の女性の教育支援などに取り組んできた。ノーベル平和賞の候補にもなった。
映画では、そうした経過を、09年当時の報道映像や、アブラエーシュさんとその家族、友人らへのインタビューなどで振り返る。アブラエーシュさんが21年にガザを訪れた時の様子も追う。
23年10月にガザで始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は1年を超えて続く。ガザ側の死者は4万人を超えたとされ、アブラエーシュさんも親族約40人を失った。映画の日本公開に合わせて10月上旬に来日したアブラエーシュさんは「声を大にして、平和をもたらす努力をしなければならない。私は決して希望を失わない」と語った。
上映は26日から鹿児島市呉服町のマルヤガーデンズ7階「ガーデンズシネマ」▽11月8日から熊本市中央区新市街のDenkikanで。【遠藤孝康】
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