ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家、韓江(ハンガン)さんの代表作「菜食主義者」など4冊を翻訳・出版している「クオン」(東京都)の広報担当、佐々木静代さん(62)は「ノーベル賞は簡単ではないが、いつか取ると思っていました。韓国人初、アジア人女性初の受賞が韓江さんでうれしいです」と話した。
10日夜、受賞のニュースが流れると、クオンが運営するブックカフェ「チェッコリ」(東京都千代田区神田神保町)には、出版関係者らが集まってきた。「韓江さん、ノーベル文学賞受賞おめでとう」と声を上げながら、ワインで乾杯した。
佐々木さんによると、韓江さんは2020年11月にオンラインで実施した韓国文学イベント「K―BOOKフェスティバル」に登壇し、作品とどのように向き合っているかなどを話したという。佐々木さんは「とてもゆっくり話す方でした。心に響く言葉選びで、韓江さんの本の世界観そのものという人です」と振り返った。
受賞後の1時間で、同社のオンラインショップには、50冊以上、韓江さんの作品の注文が寄せられているといい、「韓国文学が注目されるよい機会になりそう」と顔をほころばせた。【木原真希】
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