10月10日は「1010」=セントウの語呂合わせで「銭湯の日」です。朝晩も冷えてきて、湯気や温かいものが恋しくなる季節、銭湯の日にあわせて大野市にある老舗銭湯を訪ねました。そこには、年々減少傾向にある銭湯で、日々奮闘する店主の姿がありました。
大野市の越前大野城からほど近い場所にある「亀山湯」は、創業1902年で、大野市内で最も古い銭湯として地元の人に親しまれています。
ボイラーに薪をくべる4代目店主の寺島善彦さんが、一人で銭湯を切り盛りしています。営業開始の午後3時に合わせて、毎日午前7時から火入れをしています。
名水として知られる大野の地下水を43度になるまで温めるのですが、機材の老朽化で燃え方に偏りがあるといいます。「お盆前から火の燃えが悪くなって…。今から寒くなるし、ある程度の温度を確保しておかなければならないから、冬は休むかもしれない」と寺島さんは困った様子で話します。
火の様子を何度も確認するため、なかなか離れることもできません。
それでも寺島さんは「孫が『じいちゃんやめんといて』というもんやで、できる限りやっているつもり」と話します。
寺島さんは金融機関を退職後、55歳で亀山湯を引き継ぎました。かつては大野市内に15軒ほどあった銭湯も高齢化などで減少し今では3軒に。亀山湯は、観光客の利用もあるとはいうものの、一日の利用者は約20人と減少しています。
それでも「(お客さんが)帰る時にいい湯だったと言って帰ってもらうのが一番のほめ言葉」と寺島さんは日々奮闘しています。
寺島さんが守り温め続けている「亀山湯」を田島アナウンサーが訪れました。
田島アナウンサー:
「いかにも昭和の風情です。見て下さいこの下駄箱。文字が昔風!いつの時代なのか…味があります」
他にも、タイルや体重計など、懐かしさを感じるアイテムが出迎えてくれます。
田島アナウンサー:
「昔ながらのザ銭湯!見てください、富士山ではなく天空の城です」
お湯の温度は少し高めの43度前後です。
田島アナウンサー:
「あ~!(この暑さに)慣れよう。慣れてきた!でも熱い!」
大野の地下水がやわらかく肌になじみ、下から上がってくる気泡が疲れた体を癒してくれます。
田島アナウンサー:
「慣れた。気持ちいい…!」
亀山湯はじんわりとやわらかく、心まで温めてくれました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。