滋賀県は、世界遺産登録を目指す「彦根城」について、ユネスコの諮問機関から資産や価値の説明を充実させるよう指摘を受けたことを明らかにしました。
■約400年前に築城 32年前に世界遺産候補の暫定リストになるも 国からの推薦受けられず
およそ400年前に建てられた「彦根城」は江戸時代の地方政治拠点として建築と土木に優れ、平和を築いた「大名統治システム」を示す有形遺産として世界文化遺産の登録を目指しています。
日本国内の世界遺産の候補として、1992年に暫定リストに記載されたものの、30年以上、登録に必要な国からの推薦は受けられていませんでした。
■「大名統治システム」説明の充実が必要と助言
国の文化審議会は去年、登録にむけて推薦書を本提出する前に、ユネスコの諮問機関から助言を受けられる「事前評価制度」を活用して、「顕著な普遍的価値の検討を進めることが有効」としました。
これを受け、県は去年9月にユネスコに事前評価を受けるための申請書を提出し、今月、結果が通知されたということです。
事前評価を行ったユネスコの諮問機関「イコモス」は、彦根城は「現存する文化的伝統や文明に独特あるいは稀な証拠を示す」という基準を満たす可能性があると評価。
一方で、「大名統治システム」を表現するために彦根城が重要であるという説明を充実させることが必要などの助言があったということです。
■2027年の世界遺産登録を目指す
【滋賀県文化財保護課 永井利憲 課長】「全体として、江戸時代の大名統治システムに推薦戦略をおいたということは支持をされた。ただ、中々簡単に登録にならないというのが世界遺産なので、示された課題、示唆頂いたところについては、きちんと対応して世界遺産登録を目指していきたい」
県はまず来年度に国内推薦を受けれるよう準備を進め、「彦根城」の2027年の世界遺産登録を目指します。
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