明治時代を代表する日本画家。菱田春草の生誕150年を記念して、代表作の屏風絵などを展示する特別企画展が福井県立美術館で開かれています。
 
菱田春草は、福井ゆかりの美術指導者・岡倉天心の弟子で、近代的な日本画の発展に貢献した人物です。
 
会場には、春草が描いた掛け軸や同じ時期に活躍した画家の作品など、期間を通して約80点が展示されます。
  
春草が1909年頃に描いたとされる屏風絵「落葉」は、亡くなる2年前に病と隣り合わせの中、初夏から秋にかけて一気に描きあげました。現存する5点が一堂に展示されるのは国内で10年ぶりです。
 
このうち重要文化財に指定されている屏風絵には、若い木や小鳥が描かれ、秋の静寂の中に芽吹く自然の生命力が表現されています。

また、地面を書き込まずに積もった落葉で大地を表すことで、はるかに広がる空間を感じ取ることができます。
 
学芸員は「春草が晩年の命を燃やして描いた落葉5連作。なかなか揃うことが無いのでいろんな工夫や細かい点を見て比べてもらえると嬉しい」と話しています。
 
企画展は一部、作品の入れ替えを行い11月4日まで開かれています。

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