将棋の藤井聡太王位(22)は神戸市で27、28両日指された第65期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)の第5局で挑戦者の渡辺明九段(40)に97手で勝ち、対戦成績4勝1敗で5連覇を達成、永世王位の資格(連続5期または通算10期)を獲得した。藤井王位の永世称号は、7月に山崎隆之八段(43)を降して獲得した永世棋聖に続いて二つ目。22歳1カ月での永世2冠は羽生善治九段(53)の24歳9カ月(永世棋王、永世棋聖)を抜き史上最年少となる。
藤井、渡辺両者のタイトル戦は6回目で、全て藤井王位が制した。藤井王位は名人をはじめとする7冠を堅持し、タイトルの獲得数は24期(登場25回)となった。
今期王位戦は渡辺九段の果敢な指し回しで藤井王位も度々ピンチの場面を迎えたが、第1局(千日手指し直し)と第3局を逆転勝ちするなど勝負強さが光った。
藤井王位は2020年の第61期王位戦で当時の木村一基王位(51)からタイトルを奪取すると、一気に5連覇を成し遂げた。
終局後、藤井王位は「内容的には押されていた将棋が多かったので、防衛という結果には幸運もあったかなと思います。永世称号はうれしく思いますし、王位戦はこの5期を通して自分自身いろいろな経験を積むことができたかなと思います」と喜びを語った。渡辺九段はシリーズを振り返り、「途中まではまずまず戦えていたと思ったが、4局目、5局目と全然いいところのない将棋になったのは残念でした」と話した。【新土居仁昌】
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