エミリー・ラタコウスキー(3月10日、ロサンゼルス) Featureflash Photo Agency-Shutterstock

<男性を完全無視して歩き続けたエムラタを女性ファンは支持。「見たくなくても、目に入ってきてしまう」と男性を擁護する声も>

肌の露出が多いファッションで有名なモデルのエムラタことエミリー・ラタコウスキーが、米ニューヨークの街中で通りすがりの見ず知らずの男性から服を着るよう求められたことを明かし、「ありえない」とネットをざわつかせている。

【動画】通りすがりの男性から「服を着なさい」と言われたエムラタ...そのファッションとは?

胸元が大きく開いたグレーのタンクトップとヨガパンツにメガネを合わせたカジュアルな装いで街中を歩くセルフィー動画を撮影中に、「お嬢さん、シャツを着なさい」と声をかけられたエムラタが、その様子をTikTokに投稿。「控えめでないことで有名、思慮深くないことで有名」とキャプションを添えた動画は、5日間で250万回再生されて話題を呼んでいる。

映像には声をかけた人物の姿は映っておらず、エムラタはその声を完全無視して動じる様子も見られなかったが、「ちょっと待って。今、男の人からシャツを着るように言われたんだけど」とコメントが添えている。

女性ファンの共感を得た理由

フォロワーからは、「エムラタに向かってなんてこと言うの」「そんな声は無視してあなたは自分がしたいようにすべき」「無視して、独り言を恥ずかしいと思わせるのが最善の策」「こんなに美しいのに、なぜシャツを着る必要があるの?」と、声の主に対する非難が殺到。

「この光景をセクハラだと感じる男性も実際にいる。見たくなくても、目に入ってきてしまう」と男性を擁護する声もあったが、「シャツを着ちゃダメ」「みんなで団結して、同じタンクトップを買って着よう」と女性ファンは一斉にエムラタ支持を表明した。

ちなみに、エムラタが使った「demure(控えめ)」「mindful(思慮深い)という表現は、インフルエンサーのジョールズ・レブロンの「仕事で控えめになる方法」という発信を発端に今、TikTokを席巻している流行語だ。ファッションの選択にいたるまで日常のさまざまな場面で「控えめ」「思慮深い」「かわいい」などと表現するトレンドをもじり、自らのブレないスタンスを示したこともファンの共感を得た理由の一つとなっている。

自らをフェミニストと定義し、女性のエンパワーメントについて発信することも多いエムラタは、過去のインタビューで「名声と成功」を得るために自分自身を性的に搾取していることを認めている。

「20代前半の頃は成功するために自分のセクシャリティを利用していた」と告白したエムラタだが、29歳だった2021年3月に息子を出産したことで「他人にどう思われるかあまり気にしなくなった」「自分の幸せを最優先することを学んだ」と、ファッションや自身のあり方に対する変化を明かしている。

「ありのままの姿」を見せることは女性に与えられるべき権利で、女性が自身の体をコントロールすべきだと訴えてきたエムラタだけに、撮影中にタイミングよくボディシェイミングを受けたことに「声は編集」と一部でやらせを疑う声があるのも事実。しかし、何を着るのか着ないのか、選ぶ権利は自分自身にあるというメッセージは、女性たちに大きな支持を得ていることは間違いない。

[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。

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