5区、大阪薫英女学院の小田美月(右)を抜き、2位に立つ仙台育英の細川あおい(中央)。左は先頭の長野東の田畑陽菜=京都市内で2024年12月22日、長澤凜太郎撮影

全国高校駅伝・女子(22日、京都)

5区間21・0975キロ

2位=仙台育英、1時間7分45秒

 出番を待つ仙台育英のアンカー・細川あおいの頭に、2年分の思いが駆け巡った。

 たすきを受け取った時点で、トップの長野東とは31秒差の3位。「抜けるのは自分しかいない。借りを返す」

 2大会連続、最終5区で逆転されて2位。前回は神村学園に1秒差で敗れた。前々回は1年生だった細川がリードを守れず、長野東にひっくり返された。

 最後の都大路、主将の細川は最初から飛ばした。残り1キロ付近で、2位の大阪薫英女学院を一瞬で抜き去る。トップに照準を絞り、歯を食いしばった。

 しかし、差を縮めたものの、優勝には届かず。「申し訳ない」とレースから1時間後もおえつが止まらなかった。

 1秒の差を覆すための1年だった。「突き抜ける力を付ける」をテーマに練習内容はもちろん、食事や練習後のケア、睡眠時間に至るまで細かく突き詰めた。

 釜石慶太監督は「申し分のない取り組みをしてくれた」としつつ、「ミスがあったことはチーム全体で考え直さないといけない」と2、3区での遅れを指摘した。

 雪辱は果たせなかったが、8年連続3位以内という成績は誇っていいはずだ。

 細川は後輩に向けて「プレッシャーに負けずに来年、もう一度リベンジしてほしい」とたすきを握りしめながら声を震わせた。【生野貴紀】

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