異端のサッカーが今季のJ1で存在感を示した。昇格1年目のFC町田ゼルビアが最終節まで優勝争いに食らいつき、初昇格チームとしては過去最高の3位で終えた。リーグ最少失点の堅守が光り、J1では主流ではなかったロングスローを駆使して得点を重ねた。ただ、そのプレースタイルを巡っては交流サイト（SNS）を中心に議論を呼んだ。
町田－FC東京 前半、GK谷（左）に声をかける町田・黒田監督＝11月9日、国立競技場で（平野皓士朗撮影）
敵陣でゴール前に放り込むロングスローでは、町田の選手は手を滑らせないようピッチ脇に用意したタオルでボールを拭いてから投げた。対戦相手やサポーターからは戦術の一つとして見る向きもあれば、「時間稼ぎだ」と反発もあった。◆水をかけてからPK成功が続いた
さらに物議を醸したのがPKを蹴る前にボールに水をかける行為だ。5月の東京V戦。FW藤尾翔太は後半に得たPKの場面で給水ボトルを逆さに持ち、抱えたボールをぬらした。別の試合でPKを失敗した際に「芝が乾いて蹴りにくい」と感じ、東京V戦からは水をかけて成功が続いた。
広島－町田 前半、スローインを前にボールをタオルでぬぐう町田・林＝9月28日、Eピースで（内山田正夫撮影）
験担ぎとしてだけでなく、サポーターの歓声で相手GKに重圧をかける意図もあったという。8月の磐田戦でも藤尾がたっぷりと水をかけると、ホームの観客がどっと沸いた。直後に高崎航地主審がボールの交換を指示。藤尾は両手を広げて抗議のしぐさを見せたが認められなかった。 ルール上、ボールに水をかける行為は禁じられていない。主将の昌子源は、高崎主審から「レフェリーとしてボールを替えさ...残り 612/1224 文字
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