決勝で、埼玉の八木を攻める東京の宮本(右)=エディオンアリーナ大阪で2024年4月29日、三村政司撮影

全日本都道府県対抗剣道優勝大会(29日・エディオンアリーナ大阪)

決勝 ○東京4―2埼玉●(東京は7年ぶり14回目の優勝)

 得意のメンで勝負を決めた。東京に優勝をもたらしたのは三将の宮本敬太。7月にイタリア・ミラノで行われる世界選手権に、団体メンバーとして初出場する実力者だ。

決勝で、埼玉の八木にメンを決めた東京の宮本(奥)=エディオンアリーナ大阪で2024年4月29日、三村政司撮影

 引き分けを挟んで3―0で迎えた三将戦。自身が引き分け以上なら優勝が決まる状況だった。それでも「貪欲に1本を取りにいく」と強気だった。

 試合中盤、相手のわずかな隙(すき)を突き、飛び込むようなメンで1本を奪う。その後も攻めを緩めず、すかさず2本目のメンを決めた。「(メンを)狙っていたわけではないが、流れの中で技を打ち切れた」と満足げだった。

 茨城県出身の29歳。国士舘大を経て、現在は警視庁の「特練員」として専門的に剣道の鍛錬を積む。

 今大会の東京は宮本や、2018年の世界選手権男子個人戦を制した安藤翔ら、有力な選手がそろった。「力のある選手がそろったチームを率いることができて光栄」と中島博昭監督。宮本についても「警視庁のチームとして頑張っている。日ごろの鍛錬が違う」と手放しでたたえた。

 宮本にとっても収穫は大きい。「世界大会は絶対に苦しい場面が多い。今日は苦しいところで逃げないと決めていた」。モットーに掲げる「1本を取りにいく攻撃的な剣道」をやり通し、「良い一日になりました」と笑った。

 世界選手権では「団体制覇の力に少しでもなれるように」と意気込む。夏の大舞台に向け、弾みのつく今回の優勝だった。【深野麟之介】

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