存続か廃止かが議論されている茅野市の国際スケートセンター「ナオ・アイス・オーバル」についてです。リンクで競技に打ち込む高校生有志が存続を求めて署名活動を始めました。

先週金曜日に今シーズンの営業が始まった茅野市国際スケートセンター・通称「ナオ・アイス・オーバル」。初日は無料開放され400人以上が滑りを楽しみました。

茅野市内から(市内からスケート歴3年):
「楽しいです。(どんなところが楽しい?)滑るときの快感ですかね」

諏訪清陵高校1年生の大江赳弘さん。小学1年生から市内のクラブに所属しこのリンクで練習に励んできました。複雑な思いを抱えての初日です。

諏訪清陵高校1年生・大江赳弘さん:
「今まで当たり前にあったものが、これからは当たり前じゃなくなっちゃうのが一番怖くて、これから茅野のスケート文化はどうなっちゃうんだろうとすごく心配です」

1989年にオープンしたスケートセンター。多くのトップアスリートを生んできました。オリンピックの金メダリスト小平奈緒さんもその一人。このリンクで力を着け世界へ羽ばたきました。

小平選手の金メダルを称え2018年には愛称が「ナオ・アイス・オーバル」にー。

ピーク時の1992年には年間14万人が利用してきましたが少子化などでここ数年は3万人ほどに減少。さらに、老朽化も進み6億円以上の改修費が見込まれています。

こうした現状を受け市の審議会は「原則廃止にすべき」と答申。現在、市が存廃を議論しています。

中学時代に全国大会で活躍した大江さん。「スケート場を残してほしい」と10月、オンライン署名をクラブの仲間と始めました。

諏訪清陵高校1年・大江赳弘さん:
「リンクをなくしたくない、これからも茅野の大切な文化として後世につないでいきたいすごく自分として強く思ってる部分があるので、それを形としてみんなに響いてくれれば」

現在、1398人が署名。時期は設けずさらに活動を続ける予定です。

高校生の動きに小平奈緒さんもー。

(小平奈緒さんのインスタグラム ストーリーズより)
「スケートは、これまでもこれからもカタチが変化したとしても、地域の文化であってほしい。というのが、私の願いです。子どもたちが“こうしたい”という声をあげているのなら、それを応援するのが今の私ができることだと思います」

市のスケート協会も存続を願っています。茅野市と原村の小学生に配布したリーフレットにはこのリンクで育ったオリンピアン10人のメッセージを掲載しました。協会はリンクが果たしてきた役割などをPRし存続につなげたい考えです。

茅野市スケート協会・池上泰司 会長:
「歴史と伝統をここで狂わせちゃいけないと私たちはすごくプレッシャーを感じています。今後も何とか存続しながら、いい選手が育ってほしい」

スケートリンクを巡っては岡谷市の「やまびこ国際スケートセンター」も現在、存廃が議論されています。地域の文化ともいえるスケートをどう守っていくのか…。
それぞれの市の判断が注目されます。

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