サッカー第104回天皇杯全日本選手権決勝(23日、東京・国立競技場)
○ヴィッセル神戸1―0ガンバ大阪●
大一番に挑むガ大阪のメンバーにエースの名はなかった。宇佐美貴史選手は試合2日前の練習で右太もも裏の肉離れを起こし、離脱した。キックオフ直前のクラブからの公式発表に衝撃が走った。
チームは立ち上がりから果敢に攻めた。スピードに乗った展開から両サイドを突破して次々と好機を演出。しかし、決定力を欠いて無得点のまま試合が進むと、後半に神戸の速攻で失点し、6度目の天皇杯は手中からこぼれ落ちた。
悔しい敗戦にも進歩はあった。宇佐美選手は頼りになるストライカーであり、ピッチ上で感情を豊かに出して仲間やサポーターに「熱」を伝えられる唯一無二の存在だ。ポヤトス監督は大黒柱不在の影響を嘆くのではなく、「熱さ」を引き継いだ周囲の奮闘をたたえた。「言い訳はしたくない。全員がガンバのために戦ってくれた」
昨季まで3年連続でJ1残留争いを強いられるなど近年は低迷した。「この負けも成長につなげたい。ガンバというチームがいるべき場所に皆で戻したい」とポヤトス監督。生まれ変わりつつある姿を、しっかりと国立に刻んだ。【角田直哉】
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