【NTT東日本-ヤマハ】決勝で6回2安打無失点と好投し、最高殊勲選手賞に選ばれたNTT東日本の長久保滉成投手=浜松市の浜松球場で2024年4月8日、円谷美晶撮影

社会人野球第70回JABA静岡大会決勝(8日・浜松球場)

○NTT東日本4―0ヤマハ●

 昨季は都市対抗と日本選手権の予選で敗退し、2007年以来16年ぶりに「2大大会」をともに逃す苦しい1年を過ごしたNTT東日本が、名門チームの意地と進化を見せた。

 くしくも昨年と同じヤマハが相手となった決勝で、先発を任されたのは2年目の長久保滉成。昨季は主要大会の登板がほとんど無かった左腕は、打たせて取る投球でヤマハの強力打線をわずか2安打に抑え、大会の最高殊勲選手賞にも輝いた。

 打線も若手がけん引した。新人内野手の石井巧は2―0の五回、中堅右へ三塁打を放って貴重な追加点を挙げると、七回にも左前適時打で勝利を大きく引き寄せ、「チームが日本一になるため自分に何ができるのかを毎試合考え、集中して臨んでいる」と話した。

 若手を積極的に起用している3年目の平野宏監督は「去年と同じようにやっていては、同じ結果になる。若い力が出てきて活性化している。若手とベテランがうまく機能した大会だった」と手応えを口にする。主将の下川知弥は「(日本選手権出場を決めて)ほっとした。都市対抗予選に向けた弾みにしていきたい」と前を見据えた。【円谷美晶】

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