攻撃の中心となって好機を演出する1番・岡部飛雄馬=石川県立野球場で2024年10月20日、長澤凜太郎撮影

 来春の第97回選抜高校野球大会の出場校を選考する際の資料となる全国10地区の秋季大会が終了した。20日に神宮球場で開幕した明治神宮大会に出場する優勝校の各地区大会を振り返る。

北信越 敦賀気比は打線活発

 1試合平均6点台と打線活発の敦賀気比(福井)が3年ぶり8回目の優勝を飾った。

 攻撃では1番・岡部飛雄馬を中心に走力で相手を揺さぶり、好機を演出する。9点を奪った試合は2試合もあり、決勝では九回に一挙5点を奪って逆転勝ちした。

 投手陣は全試合で、技巧派左腕・管田彪翔(ひゅうが)、スライダーに切れがある右腕・五十子(いがっこ)李壱の継投で勝ち上がった。

 準優勝の日本航空石川は投手層が厚い。3試合に先発したエース右腕・蜂谷逞生(たくま)は最速145キロの直球に力がある。長井孝誠は、切れのあるスライダーで三振が狙える右腕だ。

 4強の小松工(石川)は、3番・東大輝が今大会唯一の本塁打を放った。高岡第一(富山)は1回戦、準々決勝で2桁安打を記録した。【下河辺果歩】

沖縄尚学で最速150キロの1年生左腕・末吉良丞=別大興産スタジアムで2024年11月4日、平川義之撮影

九州 沖縄尚学は1年生の150キロ左腕活躍

 2年ぶり優勝の沖縄尚学は、投手力が安定していた。最速150キロの1年生左腕・末吉良丞(りょうすけ)は直球に力がある。スライダーも2種類を投げ分け、防御率0・74と安定感が抜群だった。打線は、比嘉大登が打率7割8分6厘と大当たりした。

 創部3年目で準優勝のエナジックスポーツ(沖縄)は、2度甲子園出場経験のある神谷嘉宗監督の下、「ノーサイン野球」でセーフティースクイズを決めるなど機動力が光った。

 4強勢では、柳ケ浦(大分)が宮城介、杉本羽輝(つばさ)の両左腕を中心に継投で勝ち上がり、接戦に強い。西日本短大付(福岡)は今夏甲子園メンバー9人が残り、打線は3番・斉藤大将を軸にスイングが鋭かった。

 公立勢では、育徳館(福岡)と壱岐(長崎)の初出場組がそれぞれ1勝を挙げ、8強入りした。【藤田健志】

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