青森山田との決勝で力投する聖光学院の先発・大嶋哲平=福島県いわき市のヨークいわきスタジアムで2024年10月20日、新宮巳美撮影

 来春の第97回選抜高校野球大会の出場校を選考する際の資料となる全国10地区の秋季大会が終了した。20日に神宮球場で開幕した明治神宮大会に出場する優勝校の各地区大会を振り返る。

東北 聖光学院はしぶとい攻撃

 聖光学院(福島)が7年ぶりに東北の王座を奪還した。背番号10の左腕・大嶋哲平が全4試合に先発し、試合を作った。球の出どころの見にくい左横手から制球良くコーナーを投げ分けた。

 攻撃では犠打や内野安打を得点につなげる場面もあり、青森山田、仙台育英(宮城)といった強豪相手に1点差で競り勝つしぶとさがあった。

 準優勝の青森山田は、虎谷朔ノ助、菊池統磨、下山大昂の3投手が継投して決勝まで勝ち上がった。打撃陣も全4試合で先制点を挙げるなど、打線は5番・菊池伊真ら今夏の甲子園で4強入りした選手を中心に活発だ。

 4強の花巻東(岩手)は、1試合で1本塁打を含む6打点をマークするなど4番・古城大翔が打線を引っ張った。山形中央はエース左腕・小坂楓が2完投と好投し、初の4強に導いた。【牧野大輔】

先発で力投する東洋大姫路の阪下漣=ほっともっとフィールド神戸で2024年10月27日、松田雄亮撮影

近畿 東洋大姫路は攻守にバランス

 17年ぶりに制した東洋大姫路(兵庫)は攻守にバランスがとれている。最速147キロ右腕・阪下漣は制球力に優れ、27回余りを1失点。野手も1失策でもり立てた。中軸の見村昊成(こうせい)ら下級生からの主力が多く残る打線は、4試合でチーム打率3割超、計29得点と切れ目がなかった。

 準優勝の智弁和歌山は右腕・渡辺颯人ら複数の好投手を擁す。打線は2番・福元聖矢が2打席連続本塁打を記録。計16犠打と手堅さもある。4強では天理(奈良)が小技を絡めた攻撃を見せ、投手陣は継投で勝ち上がった。市和歌山はエース右腕・土井源二郎の変化球にキレがあった。

 8強では滋賀学園の総合力が高い。初出場で攻守に粘り強い滋賀短大付は1回戦で履正社(大阪)を破った。大阪学院大高は29年ぶりに勝利を挙げた。【長宗拓弥】

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