1972年札幌オリンピックのスキー・ジャンプ70メートル級（現ノーマルヒル）で冬季五輪日本勢初の金メダルを獲得した笠谷幸生（かさや・ゆきお）さんが23日、札幌市内の病院で死去した。80歳。葬儀は近親者で営んだ。
北海道出身。北海道・余市高（現・余市紅志高）、明治大を経てニッカウヰスキーに入社。余市高時代に全日本選手権で3位に入って注目を集め、64年インスブルック大会で五輪初出場。68年グルノーブル五輪は70メートル級23位、90メートル級（現ラージヒル）20位だったが、70年の世界選手権70メートル級で2位に入り、71～72年のジャンプ週間は3連勝を挙げた。
72年札幌五輪は70メートル級で1回目に最長不倒の84メートルを飛んでトップに立ち、2回目も79メートルで優勝。金野昭次さんが銀、青地清二さん（ともに故人）が銅と日本勢が表彰台を独占し、「日の丸飛行隊」と呼ばれ、日本中を沸かせた。90メートル級は7位だった。
4度目の五輪となった76年インスブルック大会は70メートル級16位、90メートル級17位に終わり、同年に現役を引退。その後は日本代表のヘッドコーチなどを務め、後進の育成に力を注いだ。2002年に全日本スキー連盟理事となり、ジャンプ部長も務めた。04年に紫綬褒章を受章し、18年に文化功労者に選ばれた。
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