名門柔道部から初の大相撲力士が誕生する。東海大4年の岡田綾太朗(りょうたろう)が、高田川部屋への入門を表明した。相撲は未経験ながら、丸々とした巨体には可能性が満ちあふれている。

入門のきっかけとなったウルフ(右)と写真撮影に臨む岡田=16日、神奈川県平塚市の東海大で

 「稽古に何度か参加させてもらい、土俵に立ち、思いが強くなった」  1984年ロサンゼルス五輪金メダルの山下泰裕や2000年シドニー五輪金メダルの井上康生らを輩出した強豪でもまれた岡田は16日、師匠となる高田川親方(元関脇安芸乃島)らとの記者会見で決意を語った。  島根県出雲市出身。幼いころから柔道一筋で、22年の東京学生体重別選手権男子100キロ超級で3位の実績を持つ。入門のきっかけは、東海大OBで21年東京五輪の男子100キロ級金メダル、ウルフ・アロン(パーク24)のYouTubeチャンネルだった。

◆ウルフも認めた「押し」が持ち味に

 常に笑顔を振りまく「愛されキャラ」に注目したウルフに生活を撮影され、その一環で高田川部屋の稽古に引き連れられた。その後はとんとん拍子に物事は進んだ。角界の門をたたくことになり、ウルフから「誰もやったことがないことに挑戦するのは価値がある」と期待を込められた。

入門会見に出席した(右から)ウルフ、岡田、高田川親方、上水監督=16日、神奈川県平塚市の東海大で

 身長こそ「176センチ」で上背はないが、体重は165キロと横幅はある。最近も岡田と乱取りをしたというウルフに「5回押し出されて、ぎっくり腰になった。前に突進する馬力がすごい」と認められた押しが持ち味になりそう。

◆九州場所で新弟子検査、初土俵へ

 高田川部屋にとっては初の大卒力士になる。自身も柔道経験者の高田川親方は「東海大柔道部と言えば憧れで、頂点。名を汚さぬよう稽古に精進してほしい」と求めた。東海大柔道部の上水(あげみず)研一朗監督に「落ち込まず、負けを引きずらない」と評される性格も、関取になれば連日取組がある相撲向きだ。  九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で新弟子検査を受検し、前相撲から初土俵を踏む。岡田は「将来的には幕内に。相撲で言ったら安芸乃島さん、柔道界で言ったらウルフさんのような存在になりたい」と堂々と目標を語った。青畳で培った力を、土俵でも表現する。(丸山耀平) 

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