◆J1町田戦で今季一番の試合運びをするも…
現在10位のリーグ戦はすでに優勝の可能性が消滅し、天皇杯全日本選手権も早々に敗退している。意地を示す最後のチャンスがルヴァン杯だった。キャプテンマークを巻いた24歳の山田新選手は試合後、「リーグ戦がうまくいっていない中、絶対に取らなければいけなかった」とうつむいた。町田―川崎 後半、ドリブルで攻め込む川崎・遠野(中)。後方は川崎サポーター=10月5日、Gスタで(布藤哲矢撮影)
良い流れでルヴァン杯に臨んだはずだった。5日のJ1町田戦は敵地で先制されながらも、雨の中で攻める姿勢を貫いて4―1で逆転勝ち。中盤を支えた河原創選手が「自分たちのペースでやれた」とうなずいたように、今季一番とも言える会心の試合運びだった。 これで勢いに乗ったと思われたが、4日後に迎えたルヴァン杯の準決勝第1戦は別人のように消極的だった。新潟ゴールの枠内にシュートを1本しか打てず、1―4で大敗。3点差をひっくり返そうと意気込んだ13日の第2戦も、気迫とは裏腹に、枠内に2本しか飛ばせず、0―2であっけなく敗れた。◆タイトル獲得「3つは取りたいと思っていた」
サポーターの失望は形になって表れ、等々力で珍しくブーイングが飛ぶ中、選手は重い足取りで引き揚げた。快勝した直後にふがいない試合をしてしまうのは、リーグ戦で低空飛行が続く今季を映していた。 指揮官のタイトル獲得に懸ける思いは強かった。天皇杯を逃した7月には「選手には伝えていなかったが、今年は(J1、ルヴァン杯、天皇杯、アジア・チャンピオンズリーグのうち)3つは取りたいと思っていた」と心中を明かした。ルヴァン杯敗退が決まり、浮かない表情の川崎フロンターレ鬼木達監督
鬼木監督は2017年の就任1年目にJ1初優勝を達成。あと一歩で何度もタイトルをつかめず、「シルバーコレクター」と言われてきたクラブに8年間で7つの「金賞」をもたらしてきた。申し分ない実績を残しながらも、一部サポーターから不満の声が上がるのは常勝チームの宿命なのだろうか。(加藤健太)
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