◯DeNA2―0巨人●(16日・東京ドーム)
次から次へとけが人が発生して満身創痍(そうい)のDeNAをベテランが救った。七回に代打・筒香嘉智の左前適時打で貴重な追加点を奪った。舞台は相手の本拠地・東京ドームだというのに、登場した瞬間に空気を変え、押し切った。
1―0の七回1死一、三塁。巨人は左打者の筒香対策として、左腕の高梨雄平にスイッチしたが、筒香は「ランナーを還すことだけを意識していた」。左翼ポール付近に陣取ったDeNAファンはいやが上にも盛り上がる。
カウント2―2から来たのは、低めのスライダー。「いろんな球に対応できるように」準備していたことが奏功し、流し打って左前適時打とした。
大きな1勝だ。
チームは主力のアクシデントが続いている。リーグ戦終盤に、正捕手格の山本祐大が死球で右腕を骨折。阪神とのCSファーストステージ1戦目で、先発したエースの東克樹が左太もも裏を肉離れした。そうかと思えば、この日は抑えの森原康平が右肩のコンディション不良で、ベンチ入りできなかった。
そんな状況で「筒香はベンチで本当に鼓舞してくれる」と三浦大輔監督が語ったように、苦境のチームを支えている。試合後、取材に応じた筒香の声は確かにかすれていた。
ただ、筒香は「フィールドに出て、良いプレーをするのが第一。盛り上げ役とは思っていない」ときっぱり。本人も周囲も求めてやまないのは、そのバットで、勝利につながる得点をもぎ取ることだ。【岸本悠】
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