国際審判員のユニホーム姿で、レッドカードを出す姿を実演する吉田寿光さん=宇都宮市で2024年9月28日午後3時54分、小林祥晃撮影
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 栃木県立宇都宮高校(宇高)サッカー部の創部100周年記念式典が28日、宇都宮市内のホテルで開かれた。OBや現役の部員、歴代顧問ら約250人が参加。宇高OBで元国際審判員の吉田寿光さん(61)らが記念講演を行った。吉田さんは、主審を務めた2005年のW杯アジア予選プレーオフでの「誤審」について自ら触れ、「あのミスがあったから頑張れた」と語り、会場から大きな拍手を受けた。

 宇高サッカー部は、旧制中学時代の1923(大正12)年に結成された「宇中蹴球団」が前身で、県内高校サッカー部の草分け的存在。51(昭和26)年の全国高校サッカー選手権大会では全国優勝を果たした。優勝メンバーだった小沢通宏さん、岩淵功さんはその後、日本代表としてメルボルン五輪に出場するなど活躍、小沢さんはその後、日本サッカー殿堂入りも果たしている。宇高は県内屈指の進学校ながら、近年もサッカー部は実績を残しており、2002年にはインターハイにも出場している。

 この日、吉田さんは「コンプレックスをエネルギーに」と題して講演。FIFA(国際サッカー連盟)のロゴが入った審判員ユニホーム姿で登壇し、体育教師を経て審判員となったキャリアについて語った。

ビデオでメッセージを寄せた宇都宮高校サッカー部OBで、日本サッカー協会テクニカルスタッフの寺門大輔さん=宇都宮市で2024年9月28日午後3時44分、小林祥晃撮影
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 審判人生のなかで、吉田さんが注目を浴びてしまったのは2005年9月。主審を務めたW杯アジア予選プレーオフ(ウズベキスタン対バーレーン)で誤審をし、試合は異例の再試合となったのだ。誤審は世界中で報道され、海外の知人からも「大丈夫か」と心配されたと明かしたが、「自分は負けず嫌い。このミスがあったから、(その後も審判員として)55歳まで『負けてたまるか』と頑張れた」と振り返った。そして後輩の現役部員や参加者に向け、「それぞれのフィールドで力を試し続けてほしい」とエールを送ると、会場からは大きな拍手が上がった。

 記念式典は「宇都宮高校サッカーOB会」が主催。会場では吉田さんの講演のほか、日本サッカー協会のテクニカルスタッフで、22年ワールドカップ(W杯)日本代表の対戦相手の分析を担当した寺門大輔さん(50)がビデオメッセージを寄せ、現役生に「サッカーをやる時は思い切りサッカーに打ち込み、伝統を作っていってほしい」と呼びかけた。また東京学芸大サッカー部の元監督で現コーチの星貴洋さんも記念講演を行った。【小林祥晃】

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