新作はロボットやドローン
「東葛駅伝」の第1回~第30回大会を回顧する三十回記念誌(1977年発行)に、リヤカーに乗った花嫁が選手たちを応援するユニークなイラストが描かれている。51年の第4回大会で実際にあったエピソードだ。作者は野田市在住の漫画家もろ・ただし=本名・稲葉多太司=さん(90)。今も漫画家として精力的に活動し、今回新たなイラストを描いて中学生ランナーたちにエールを送る。【伊藤一郎】
――三十回記念誌に、もろさんの署名が入ったイラストが添えられています。約50年も前ですが、描いた当時を覚えていますか。
◆覚えていないんです。当時は、経営していたお店の仕事で大変忙しかったのです。駅伝のことは知っていましたが、見に行く余裕もありませんでした。野田市の役所の方に依頼されて描いたのでしょうね。
――とても魅力的なイラストです。
◆「オチ」を一コマで表現する漫画が好きなんです。漫画で駅伝を応援したかったのだと思います。
――リヤカーから花嫁が応援する場面が実際にあったのは、イラストを描かれた時よりさらに20年以上前のことです。
◆私はそうした場面を見たことはありませんが、当時この辺りはあまり車は走っていなくて、馬車やリヤカー、自転車が行き来していた時代でした。川まで泳ぎに行った帰り、馬車に乗せてもらって戻ってきたことを覚えています。
――野田市には、どのくらいお住まいですか。
◆生まれは東京の千住で、戦争で疎開後、小学6年くらいで野田市に来て、それからずっと住んでいます。かつては、街にしょうゆの香りが立ちこめていました。住みやすい場所だと感じています。
――今も野田市の広報紙にイラストを寄せたり、自作の展覧会を開いたり、活発に取り組まれていますね。
◆漫画は好きだから、続けていられるのだと思います。一コマや四コマが好きで、アイデアを考えるのも楽しいです。盆栽も趣味で、雨が降っているのに水やりをしている人の漫画も描きました。人に頼まれて描いて喜んでもらえると、うれしくなります。
――今回は新たな東葛駅伝のイラストを描いていただき、ありがとうございます。
◆私が応援に行けないので、ドローンを操作してロボットを併走させ、ランナーを応援するという絵柄にしてみました。選手の一人一人がそれぞれ頑張ってほしいですね。
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戦後間もなく始まり長い歴史がある東葛駅伝は10月19日、松戸市~野田市を舞台に開催されます。76回目の今回はジェイコム千葉が初めて全コースを生中継します。大会開催まで、関連する話題を随時掲載していきます。
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