現役続行を宣言した橋本壮市選手(右)。左は吉田秀彦総監督=浜松市で2024年9月22日午後6時31分、山田英之撮影

 パリ五輪柔道男子73キロ級で銅メダル、混合団体で銀メダルを獲得した浜松市出身の橋本壮市選手(33)=パーク24=が22日夜、市内のホテルで開かれた祝賀会に出席し、「現役を続行します。柔道をしている姿を、応援してくれる人たちに見てもらいたい」と宣言した。橋本選手のメダル獲得は日本の柔道史上最年長の記録だった。【山田英之】

 橋本選手は個人戦では準々決勝で敗れたが、敗者復活戦と3位決定戦に勝って銅メダルをつかんだ。混合団体のメンバーとしても戦った。五輪後は進退を明言していなかった。

 祝賀会場には橋本選手の写真や賞状、メダルが展示された。中野祐介市長は「浜松が生んだ新しいヒーローだ。銅メダルを獲得した時、浜松まつり以来の盛り上がりを感じた。最年長メダル獲得記録をこれからも破っていけると思う」と激励した。

 来賓の大須賀正孝・ハマキョウレックス会長は「敗者復活戦の強さはすごかった。何事もあきらめず、最後まで頑張るエネルギーを感じた」とたたえた。

橋本壮市選手のパリ五輪での活躍をたたえた井上康生さん=浜松市で2024年9月22日午後6時21分、山田英之撮影

 シドニー五輪柔道男子100キロ級金メダリスト、井上康生さん(46)も駆けつけ、「個人戦で敗れた後、気持ちを振り絞って戦い抜いた姿は素晴らしかった。団体戦を良い雰囲気で戦えたのは、橋本選手が後輩へのやさしさ、明るさでチームを一つにまとめ上げた結果だ」と高く評価した。

「あきらめない心学んだ」から

 橋本選手は「個人戦で負けたことを受け入れることができなかった。もう一度、戦い抜くことができたのは、みなさんの応援があったから」と振り返り、感謝した。今後について「柔道を通して、あきらめない心、自分を信じることを学んだ。経験したことを子どもたちや現役の選手に伝えていきたい」と抱負を語った。

 バルセロナ五輪柔道男子78キロ級金メダリストの吉田秀彦・パーク24柔道部総監督は「入社した当時、橋本選手はまだ強化選手ではなかった。そんな橋本選手が強化選手になり、今回メダルを獲得したのは柔道選手の見本になる。これからもますます見本になってほしい」と期待した。

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