昨年のホープフルステークスを制したレガレイラ⑬=2023年12月28日、中山競馬場(塩浦孝明撮影)

76年ぶりの快走はあるのか―。

14日(日)の皐月(さつき)賞の最大の関心事はそれである。牝馬のレガレイラが勝ったら、それは皐月賞史上、実に76年ぶりのことなのだ。

これまで皐月賞には計24頭の牝馬が挑戦し、【2・1・1・20】という成績(数字は左から1、2、3着、着外の数)。

連にからんだ牝馬が3頭、いることはいるのだが、以下のとおり、いずれも戦後間もないころの馬である。

1947年 トキツカゼ 1着

48年 ヒデヒカリ 1着

52年 タカハタ 2着

このなかで、たとえばトキツカゼは、デビューから②①①①①着という成績をおさめ、1番人気に支持されての皐月賞出走。結果も6馬身のぶっち切りで、そもそも能力が違っていた。

ヒデヒカリの皐月賞は、わずか7頭立てのうえに、うち3頭が牝馬で、牡馬のプレッシャーがほとんどない状態。

それからタカハタは、デビューから10戦して【8・1・1・0】という安定した成績をおさめての皐月賞出走。まるで当然のように連対してみせた。

これらの走っていた時代は、牝馬が、仕上がりの早さにモノをいわせて皐月賞で上位に台頭する余地があったのだが、その後は違う。調教施設の充実によって、牡馬の勢力拡大が進み、この60年間では、皐月賞に挑んできた牝馬はたった3頭しかいない。しかも3頭とも着外。

1991年 ダンスダンスダンス 5着

2014年 バウンスシャッセ 11着

17年 ファンディーナ 7着

はたしてレガレイラは、皐月賞でどんな走りを見せるのか。デビュー以来3戦して①③①着。超スローで先行2頭の前残りを許し、3着に敗れたアイビーSにしても、ゴール前の伸びは際立っていた。前走は牡馬相手のGⅠホープフルSで勝利。そのときと同じ中山の芝2000メートルで、皐月賞は期待が高まる。

ちなみに、1991年の皐月賞で、牝馬の両隣の枠に入った牡馬(2、3番人気)が4、15着に凡走。牝馬に気をとられていた、の説あり。(競馬コラムニスト)

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