大相撲秋場所は8日、東京・両国国技館で初日を迎える。7日は土俵祭と優勝額の贈呈式が行われ、5月の夏場所で初優勝した関脇・大の里、7月の名古屋場所を制した横綱・照ノ富士に毎日新聞社から優勝額が贈られた。糖尿病や膝の痛みで調整が遅れた照ノ富士は秋場所の休場が決まっており、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が代わりに出席した。
幕下付け出しデビューでは史上最速の初土俵から7場所目で夏場所を制した大の里。両国国技館には3月の春場所で優勝した尊富士に続き、大いちょうが結えない「ちょんまげ力士」の優勝額が並ぶことになる。「同じ経験(優勝)を何回もできるように頑張る」と気を引き締めた。
小結だった夏場所で12勝3敗だった大の里は、関脇に昇進した名古屋場所で9勝6敗。今場所の成績次第では大関昇進が視野に入る。昇進について高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)は6日の取組編成会議後に「しゃにむに前に出る相撲を取ってくれれば。内容を見ていく」と語っていた。
大の里は「何も気にしていない」と自然体を強調する。「稽古(けいこ)は積んできたので(成果を)十二分に発揮したい。優勝した夏場所のように楽しい15日間を過ごせれば」と余裕を漂わせた。
照ノ富士の不在で、混戦模様の秋場所。直近は大の里ら新鋭の活躍が目立つが、他の上位陣が安定していないことの裏返しでもある。東京場所を担当する春日野事業部長(元関脇・栃乃和歌)は報道陣の電話取材に応じ、琴桜、豊昇龍の両大関を念頭に「2人が引っ張っていかねばならない存在。それに三役がついていくのが理想だ」と展望した。【岩壁峻】
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