サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選は5日、埼玉スタジアムでC組初戦が行われ、日本は中国に7-0で大勝した。前半12分に遠藤航(リバプール)が左CKに頭で合わせて先制し、終了間際に三笘薫(ブライトン)が加点。後半には南野拓実(モナコ)が2得点、伊東純也(スタッド・ランス)と前田大然(セルティック)、久保建英(レアル・ソシエダ)が1得点ずつ決めて突き放した。

日本-中国 前半、ゴールを決め喜ぶ遠藤(中央)=5日、埼玉スタジアムで、浅井慶撮影

◆前半12分、久保のCKを頭で

 過去2大会続けて落としているアジア最終予選の初戦。苦手意識を吹き飛ばす大歓声を、主将の遠藤が巻き起こした。前半12分、ゴールショーの幕開けとなる先制点を決めた。  値千金の場面は左CKから。久保の上げたボールを頭で合わせた。ゴール前でマークを外してフリーになると、背をそらして目いっぱい反動をつけて跳び上がり、大柄ではない178センチがゴール左へたたき込んだ。前日の記者会見で「最高の準備をした」と明言した自信を結果で表した。

◆「個」の成長、「組織」への献身

日本ー中国 前半、ゴールを決めイレブンに祝福される遠藤(中央)=5日、埼玉スタジアムで、浅井慶撮影

 同じく試合前日。3年前の前回最終予選との比較を尋ねられると、答えた。「『個』の成長。一番、チームの成長が見える部分かな」。現メンバーには海外挑戦を経て力をつけた選手が多くそろう。自身も2022年W杯カタール大会の翌年、イングランドの名門リバプールに加入し、腕を磨いた。「成長」を証明する、代表戦での自身通算4ゴール目でもあった。  ただ「個」だけで勝ち上がれるほど、甘くないことも理解している。「日本人の良さはチーム」とも。この日は主戦場の中盤で懸命に指示を出し、体を張っての献身的な守備でも奮闘した。進化した「個」と持ち前の組織。その二つを、左腕にキャプテンマークを巻いた31歳が初陣で示した。(対比地貴浩) 

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