【パリ五輪実況】「日本飛び込み史上初のメダルは、銀メダルです!」

この夏、日本飛び込み界の歴史を動かした17歳、玉井陸斗選手。

宝塚市のプールで、飛び込みの楽しさに心を掴まれたのは6歳の時。

その6年後、大人にまじって出場した初めての全国大会で優勝!

その時から抱き続けた思いは、ただ一つ。

【12歳の玉井選手】「オリンピックに出て、メダルを取る事です」

12歳の少年が誓った、メダルへの思い。

【馬淵コーチ】「終わってから泣いても遅い。何回も言ったやろ」

苦難の道のりを歩み…17歳のこの夏、パリの舞台で、その誓いを現実に。

歴史を動かした宝塚市出身の17歳。

飛び込み・玉井陸斗選手の“ぶっ飛び”エピソードに迫ります!

■ぶっ飛びエピソード1「幼少期から鍛え上げられた肉体」

飛び込みにかけまして、玉井選手のぶっ飛びエピソードをご紹介していきます。

「ぶっ飛びエピソード1:幼少期から鍛え上げられた肉体」

トレーニングのたまものだと思いますが、玉井選手が12歳の時に、すでに腹筋が8つに分かれています。ただ鍛えればいいわけではなくて、この筋肉を使ってうまく体を使ってコントロールすることが大事なんですよね?

【玉井陸斗選手】「はい。空中では自分の体をコントロールしないと入水がノースプラッシュすることができないので、コントロールできるぐらいの筋力が必要になります」

今まで何度も練習を重ねてきたものが、2秒経たないうちに終わってしまうんですよね。入水までに何か考えていますか?

【玉井陸斗選手】「出だしの踏切の様子を考えながら、入水にどうやって持っていくのかを調整してますね」

2秒間で調整を行っているのですか?

【玉井陸斗選手】「空中では、5秒ぐらいの感覚なので、ゆっくり感じます。周りの景色が見える選手もいれば、僕は見えないんですけど、感覚だけで入水まで持っていっています」

■玉井選手を幼い頃から知る飛び込み界のレジェンドに強さの理由を聞く!

玉井選手を幼い頃から知る、飛び込み界のレジェンドに玉井選手の強さの理由を伺いました。

【飛び込み五輪6大会出場 寺内健さん】「やっと歴史がスタートした。変わったというよりスタートしたなと。日本の飛込が」

玉井選手とは、同じ宝塚市の練習拠点で腕を磨いた兄貴分的な存在。

寺内さんが驚いたのは、玉井選手の選手のメンタル面。

オリンピック決勝の5本目で大きなミスがあり、3位に後退。それでも、運命の最終6本目。大きな失敗をすれば、メダル圏外に転落する場面で、この日の最高得点を叩き出しました。

■「ドラマとは違うドラマがある」と寺内さん

【寺内健さん】「僕が6回オリンピックに出場してあげられなかったコーチへのメダルをちゃんと渡してくれました。良かった」

【寺内健さん】「解説している自分の方が足も手も震えていたんですが、自分がオリンピックの決勝ラスト1本臨んだらどうなるか想像したら頭真っ白ですよ。自分で作ろうとしたドラマとは違うドラマがあるなと」

【寺内健さん】「あれだけ周りの選手とわいわいしながら、試合に臨んでいるオリンピックの決勝は、自分(の想像)では落とし込めなかったです。それを彼は平気でやっていた。楽しい瞬間を自分で作りながら試合をしていたのが印象強かったです」

■大先輩からはこんなエールが

周りが期待するのは4年後の金メダル。大先輩からはこんなエールが…

【寺内健さん】「自分が43歳まで現役でやっていたので、陸斗にはあと26年できるねって言いたい」

『あと26年できるね』というエール、どうですか?

【玉井陸斗選手】「やりたくないですね。やっぱりしんどいですね。でも、やっぱり記録を塗り替えるとか、寺内選手の背中を見て育ったので、もちろんできればやりたいとも思いますね」

■ぶっ飛びエピソード2「オリンピック決勝でも笑顔!17歳のメンタルがすごい!」

玉井選手の強さを象徴するのは、やはりこちらのシーン。

劇的な展開でした。決勝5本目の307Cでミスがありましたが、その後、ラスト6本目で驚異の99点を叩き出しました。この5本目を終えて、6本目に向かうまでの心境を振り返るといかがでしょうか?

【玉井陸斗選手】「やっぱり金メダルがっていう思いが、少しちらついてしまったが故に失敗しました。不安や気持ちの揺れが出てきてしまったんですけど、それまでが良かったので、こんなにいいチャンスはないぞと、メダルを取るチャンスはもう今後来ないかもしれないっていう思いで、気持ちを落ち着かせながら6本目に挑みました」

■緊張感漂う中でも海外のライバル選手とコミュニケーションを取るメンタルの強さ

東京オリンピックでも同じ5本目でミスがありました。その時のことがよぎったりはしませんでしたか?

【玉井陸斗選手】「苦手意識がもともとある種目なので、怖いなって思いながら、調子も良かったので、決められるんじゃないかなっていう自分への期待もありつつ、少し力んでしまったのかなと思います」

どうして、6本目を乗り越えられたと思いますか?

【玉井陸斗選手】「いっぱい練習してきたっていう自分の自信だったりとか、得意な種目でもあるので、決めたいっていう気持ちと絶対に決めるっていう自信でなんとか6本目を飛ぶことができました」

緊張感漂う中でしたが、海外のライバル選手とコミュニケーションを取っていました。どうしてだったのでしょうか?

【玉井陸斗選手】「決勝前とか試合が続くと、しんどくなってしまうんですけど、僕が楽しむっていうことを一番大事にしているので、試合前にそういう海外の選手に話しかけることで、自分の気持ちを意識的に上げることを意識していたことかなと思います。楽しいと、モチベーションだったりとかテンションも上がるので、演技もすごいいい波に乗れるのかなと思います」

■ぶっ飛びエピソード3「12歳で、き…メダル」

ぶっ飛び発言が飛び出したのは、玉井選手が12歳の時。全国大会に出場した直後のことでした。

【玉井陸斗選手(当時12歳)】「(目標は)オリンピックに出て、き…メダルを取ることです」

【玉井陸斗選手】「全然覚えてなかったんですけど、しっかり言ってましたね。きっと金メダルの金だったと思います。でも、そんなわけないなと自分で冷静になったのかなと思います」

その時の自分に言いたいことはありますか?

【玉井陸斗選手】「金メダルが取れる位置にいるぞ!上手くなったぞと言いたいです」

今、定めているものは何でしょうか?

【玉井陸斗選手】「パリオリンピックでは、惜しくも銀メダルだったんですけど、金メダルを取れる位置にはいたと思うので、次はロサンゼルスのオリンピックで金メダルを確実に取りたいと思います」

(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月26日放送)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。