パリ五輪・総合馬術団体の銅メダル獲得を並河健・天理市長(右)に報告した北島隆三選手(中央)と田中利幸選手(左)=天理市役所で2024年8月16日、望月靖祥撮影

 パリ・オリンピックで銅メダルに輝いた「初老ジャパン」こと総合馬術団体メンバー4人のうち、奈良県天理市とゆかりが深い北島隆三選手(38)と田中利幸選手(39)=ともに乗馬クラブクレイン所属=が市役所を訪れ、メダル獲得を報告した。市特別表彰を受けた2人は「チーム一丸となってメダルまでたどりつき、最高の気分」と改めて喜びを語った。

 団体メンバー4人は約10年間、英国に滞在してトレーニングを積んだ。パリでは初日の馬場馬術、2日目のクロスカントリーを終えて3位につけたが、最終日(7月29日)の障害馬術を前に北島選手が馬の不調で棄権した。これで減点を受けて一時は5位に下がったが、代わりに出場したリザーブの田中選手の活躍もあって、再び3位に浮上。日本馬術界に92年ぶりのメダルをもたらした。

 両選手は渡英するまで天理市内の乗馬施設を拠点に活動しており、市内に住んでいたこともあった。これらの縁で16日に市役所訪問が実現。並河市長から2人に表彰状が贈られた。

 その後の対談で北島選手は「マイナーな競技を(メダル獲得によって)連日注目してもらえている」と周囲の反応に感謝。田中選手は「幸せとともにメダリストとしての責任を感じている」と語った。

 最終日の交代について、北島選手は「悔しさで泣いたが、最後は感動の涙。(感情の揺れがまるで)ジェットコースターだった」と回想。田中選手は「交代決定時のプレッシャーはとてつもなかったが、障害が得意な北島選手からアドバイスをもらい、本番では冷静に楽しく乗れた」と振り返った。【望月靖祥】

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