第106回全国高校野球選手権大会は第10日の16日、阪神甲子園球場で3回戦が始まり、広陵(広島)は東海大相模(神奈川)に1―8で敗れた。
試合後の広陵・中井哲之監督の主な談話は以下の通り。
「完敗。すべては監督の責任」
広陵・中井哲之監督 完敗でした。(試合内容は)たらればになってしまうので、すべては監督の責任なんで。
3点は絶対にやれないと思っていたので、(先発の)山口(大樹投手)は2点までで、高尾(響投手)は0点で3-2、4-3ぐらいのビジョンは描いていたが、なかなかそういう風にはいかず、後手後手に回った苦しい展開だった。
しかし、選手は最後まで諦めることなく一生懸命頑張ってくれたので、よく頑張ってくれたと思います。
(相手の藤田琉生投手の印象)テンポもいいし、簡単にストライクを取るし、変化球のボール球を上手に振らせるというか、大柄な投手だが、もう少し乱れるかなと思ったりすることもあったが、全然隙(すき)がなかったので。
ストライクがほしい時に簡単にストライクを取ってきたので、なかなか難しかったですね。攻略するのには。
(二回の先制した後の1死満塁の場面)スクイズを出したり、もう1点取って相手を慌てさせる展開になることが勝ちに結びつくと思ったし、打者が下位打者のピッチャー(山口投手)だったので、思い切ってスクイズ(のサイン)を出したんですが、その失敗とかが山口のピッチングを引きずったのかなと思ったりすることはある。
もう1点、2点取れていれば……。取れなかったというのは相手が上なんですよね。簡単にスクイズさせてくれなかったり、うちが精神的に弱かったり、成功させると思うのと失敗したらどうしようかと思うところ。練習はしているけど、ここで出し切れないところが……。もしかしたら、難しいボールだったのかもしれませんけど。
(エース高尾投手ではなく、山口投手の先発起用は)山口の方が調子が良かったからですね。こちらに来て。
(高尾投手があれだけ連打を浴びるのは)初めてです。万全じゃないので。こんなもんじゃないので、この悔しさは次の舞台で花開かせるように努力をするし、させようと思います。
(高尾投手と只石貫太捕手のバッテリーの成長は)人間的な成長ですよね。技術的なところはプロ野球じゃないので、これからの野球人生と、人としての成長と、野球を通じてというのをモットーにしている。たかが野球なので。されど野球なんですけど。
人としてかっこいい人間になってほしいと言い続けようと思います。
(高尾には)もう1点もやるなって。(本人も)行ったろうと思ったんですけど、球がいっていなかったですね。気持ちは行っているんですけど。
(適時打を浴びたのは)どん詰まりなんで、勝負は勝っているけど。こういうのが多いですよね、広島大会から。良くない流れで、それで力んで高めでカチーンと行かれたという風にかばいたくなる。よく頑張った子なので。
(高尾は調子のピークがこなかった)そうですね。思ったように調整できなかったですね。プレッシャーが大きいんじゃないですか。
「高尾、高尾、高尾」で、広島県ならずっと高尾対策をされて、その中で戦ってきて勝ち取ったからですね。また甲子園に来て、もう一段注目もされているし、その上を行く体力も技術もなかったということだと思います。
この悔しさをどう練習に生かして、どのような野球をしていくのかを楽しみにずっと見ていきたい。
(歴代のエースの中で高尾は)一番気が強い。一番苦労したと思う。1年生から背番号1をつけて、周りからいろんなことを言われて、でも、それにへこたれることなく、1回も1番を誰にも譲ることなく、ずっと先発のマウンドに立ち続けてきた彼を、先発させなかったというのも監督としてすっごく悩んだし。
でも、これは勝つためには山口が一番適切だと思った監督の責任。しかし、山口を責めるわけでもないし、中継ぎにいってもう1点もやるなと送り出した子が点を取られてしまうというのも、野球の世界でどこにでもあることなので。
これを彼らがどう捉えて、どう頑張っていくかの方が僕はすごく大事だと思っているので。そうなるようにずっと見つめていきたいですね、後ろ姿を。
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