パリ五輪の閉会式当日、常設聖火台(奥)を見ようと橋の上に集まった人たち=パリで2024年8月11日午後9時2分、平川義之撮影

 100年ぶりにパリで開催されたオリンピックは11日夜(日本時間12日)、パリ郊外サンドニのフランス競技場で閉会式があった。2大会ぶりに有観客で行われた大会を象徴するように、7万人超の観衆が詰めかけ、17日間の戦いに幕が下ろされた。

 式冒頭には、競泳男子で個人種目4冠を果たした地元のスター、レオン・マルシャンが聖火台が置かれたチュイルリー公園に登場。舞台がフランス競技場に移ると、204カ国・地域と難民選手団の旗手が入場し、日本からは陸上女子やり投げで初の金メダルを獲得した北口榛花(はるか)(JAL)と、開会式に引き続きブレイキン男子の半井(なからい)重幸=ダンサー名・SHIGEKIX、第一生命保険=が笑顔を見せた。

 入場を終えると会場には「オー・シャンゼリゼ」が流れ、選手らが合唱する場面も。自国開催の五輪で柔道男子100キロ超級を2大会ぶりに制したテディ・リネールら各大陸の代表選手が入場した後、大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長があいさつ。「アスリートのようにどのような展開も対応できるようにしたが、想像を超えた。パリは祝祭の街になった。フランス人は文句ばかりの国民と言われたが、必死に応援し続けた。フランスの最も美しい姿を見せた」と大会運営を自賛した。

 25年での退任を表明している国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長にとっては、パリが任期中最後の五輪。あいさつで「パリ五輪はよりインクルーシブで、より持続可能な大会を体現した。センセーショナルで、新たな時代の五輪だった」と述べた。

 次回開催地に五輪旗を手渡すフラッグ・ハンドオーバー・セレモニーも行われ、パリのアンヌ・イダルゴ市長から28年大会を開くロサンゼルスのカレン・バス市長に旗が手渡された。東京大会からパリ大会に続き、女性同士の首長で五輪旗が引き継がれた。

 式の最後には、聖火の種火を持ったマルシャンが再び登場。バッハ会長、リネールらとともに火を消し、3時間にわたるセレモニーが終了した。【パリ岩壁峻】

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