◯アルビレックス新潟1―0京都サンガ●(20日・サンガスタジアム)
技ありのシュートがゴール右下に突き刺さった。新潟のFW谷口海斗が決勝点をマーク。チームを6試合ぶりの勝利に導き「(シュートを)打てるところにボールを置いて、しっかり枠を捉えられた」と喜んだ。
序盤からまいた種がようやく実った。ハイプレスを仕掛けてくる京都に対し、大きなサイドチェンジで相手の背後を突き、好機を探った。両チーム無得点で迎えた後半14分。後方からのロングボールを起点にペナルティーエリア内に攻め込むと、パスをつないで谷口へ。相手を背にボールを収め、振り向きざまに右足を振り抜いた。低い弾道で吸い込まれると、雄たけびを上げた。
J3盛岡(現岩手)から地道にステップアップしてきた28歳のストライカー。その活躍はピッチ内にとどまらない。盛岡時代にホテルマンとしても働いた経験を生かしながら、クラブの企画で野菜を育てる「谷口農園」の園長を務める。クラブハウスのすぐ近くの畑で野菜を栽培し、選手らに料理を振る舞うというクラブの企画。「少しでもクラブに関心を持ってもらえたら」。その熱意は人一倍だ。
YBCルヴァン・カップから中2日の厳しい日程で得た勝ち点3は大きな価値がある。「こういう勝ちがあるとチームとしても良い雰囲気に持って行ける」と谷口。間もなく収穫を迎えるという「新じゃが」のように豊作をもたらす。【生野貴紀】
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