陸上男子3000メートル障害決勝、8位となった三浦龍司(奥中央)=フランス競技場で2024年8月7日、中川祐一撮影

陸上 男子3000メートル障害決勝(7日、フランス競技場)

三浦龍司(SUBARU)=8分11秒72 8位(2大会連続入賞)

 レースはラスト1周になってようやくメダル、入賞争いが激しくなった。ハードルを跳び越える、水濠(すいごう)に着地すると激しくしぶきが上がる――。一挙手一投足に大歓声が上がる中、三浦龍司は二つに分かれた上位集団に追いすがった。

 「ラストの競り合いで辛抱強くいられた。決して悪いレースじゃなかった」

 オリンピック初出場で7位入賞した東京大会より、順位は一つ下がった。まだまだ表彰台との距離感は遠いが、「サンショー(3000メートル障害)の面白さ、難しさすべてが詰まったレース」に身を置けた満足感はあった。

 前半は先頭からやや離れて様子をうかがう。中~下位を行ったり来たりしながら、ラスト勝負で粘った。

 国際大会では、東京五輪、2023年世界選手権(ブダペスト、6位)に続く入賞。世界トップクラスの常連になった三浦にとって難しいレースと感じたのは、直近でライバルとは感じていなかった選手が順位で上回ったからだ。優勝したスフィアヌ・バカリ(モロッコ)こそ東京五輪から2連覇だが、上位には他にこれまで目立った成績を残していない選手も名を連ねていた。

 「短期間でぐっと伸びている選手も多かった」

 後悔も残る。水濠での着地は多くの選手が失速するポイントだが、三浦はそこでの重心移動に優れ推進力を生み出すことに定評がある。しかし、この日は最後の水濠で少しよろけた。「うまく反発をもらえなかった。細かいところは修正の余地がある」と課題を挙げた。

 レースの充実感と結果を比例させるためには「自分が強くなるしかない」。成績の安定感は増したが、そろそろ突き抜けてほしい時期にさしかかってきたのも事実だ。【パリ岩壁峻】

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