次々と対戦カードが決まる第106回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会=大阪市北区で2024年8月4日、久保玲撮影

 7日に開幕する第106回全国高校野球選手権大会は、今大会から酷暑による熱中症対策で、試合の開始時間を午前と夕方に分ける「2部制」を開幕日からの3日間で導入する。4日の組み合わせ抽選会では、当該試合を引き当てた学校から歓迎や戸惑いの声が上がった。

 試合開始の予定時間が最も遅い午後6時半となる開幕日の第3試合は、岐阜城北―智弁学園(奈良)に決まった。智弁学園の知花琉綺亜(るきあ)主将は「(2部制の)存在を忘れていて、午後6時半からの試合と聞いてびっくりしている。集中力が切れてしまったら負ける。しっかり声かけをしていきたい」と話した。対戦相手の岐阜城北・秋田和哉監督は「どういう状況でも対応するだけ。逆に言えば涼しい時間にやれる」と冷静に受け止めた。

 第3試合はナイターでの試合となるため、照明と重なる飛球への対応も重要となる。岐阜城北は日ごろからナイター設備を使って練習しているそうで、富田舜士主将は「少し慣れているのかなと思う。甲子園の照明の感じを見ながら、コミュニケーションを取って確認したい」と気を引き締めた。

 開幕日は開会式後に午前10時から第1試合があり、数時間の中断を経て、第2試合は午後4時に始まる。そのため中断時間の過ごし方にも頭をひねる。智弁学園の小坂将商監督は「ユニホームを脱がせてリラックスさせる時間も必要。これから考えていきたい」と対策をイメージする。

 一方で中断時間が入ることで、開始時間が決まっていることをメリットに挙げるチームもある。第2日で中断後の第3試合に入った京都国際の小牧憲継監督は「アップして『さあ行くぞ』という時に(前の試合が)延長になり、なかなか終わらないと苦労する。開始時間が決まっているのですごく準備がしやすい」と歓迎した。

 応援団を気遣う声もあった。中断を挟んで午後5時開始の第3日第3試合を戦う南陽工(山口)の山崎康浩監督は「僕らは鍛えて甲子園に臨むから多少暑くても大丈夫だが、(応援団には)子どもや高齢の方もいる。(涼しい時間で)応援しやすいのはうれしくありがたい」と語った。【下河辺果歩】

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