「初老ジャパン」の愛称で親しまれる平均年齢41・5歳の4選手が日本勢92年ぶりとなるメダルを獲得し、注目を集めているパリ・オリンピックの馬術競技。会場はベルサイユ宮殿の庭園で、障害馬術のコースでは、パリらしさにあふれた遊び心に満ちたデザインが関心を呼んでいる。
1日に行われた障害馬術団体予選。初老ジャパンに続けと、夏季で日本勢最多となる7度目の五輪出場を果たした杉谷泰造選手(杉谷乗馬クラブ)ら3選手で臨んだ日本チームは16位で決勝進出はならず。それでも選手と馬が奮闘したコースの「あるもの」が注目された。
それは馬が跳び越える障害物のデザイン。シャンゼリゼ通りや菓子のマカロンなどパリ気分を満喫できる、色とりどりのバーが並んだ。障害物は1試合ごとに変わり、2日の団体決勝では凱旋門やエッフェル塔、オルセー美術館などをモチーフにしたパリの名所を「一気見」できるデザインが登場。大勢の観客の目を楽しませた。
障害物に開催国の個性が出るのは、もはや五輪ではおなじみの光景だ。2012年ロンドン五輪ではビッグベンやロンドン橋、ロンドンバスなどを模した障害物を採用。前回東京五輪では力士、折り鶴、着物と「和」のテイストを前面に押し出して、話題を呼んだ。
馬にとっては初めて目にするデザインのものばかり。突然目の前に表れる障害物に戸惑う可能性もあるが、そこを選手と馬が築いた強固な信頼関係で乗りきれるかも、魅力の一つになっている。【パリ角田直哉】
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