パリ五輪のフェンシング女子エペ個人で金メダルを獲得した香港の江旻☆(リッシンベンに恵の旧字体)=7月27日、パリ(ロイター=共同)

 【香港共同】民主派の活動が当局に抑え込まれ中国本土の影響力が強まる香港では、パリ五輪で活躍した選手の政治姿勢が関心を集めている。民主派と親中派の間で人気選手が異なり、民主派支持層は中国本土との関係が深い選手に冷淡だ。中国選手の不振を喜ぶ人も多く、香港社会に根深く残る分断が浮き彫りになっている。  「落下して良かった」「香港が金メダルを取るよりうれしい」。体操の男子団体総合決勝で中国選手が鉄棒から2度落下し、日本の金メダルが決まると、交流サイト(SNS)などには中国の失敗を喜ぶ声があふれた。  香港では2019年の反政府デモの混乱を経て、中国主導で20年に香港国家安全維持法(国安法)が導入され、民主派団体などはほぼ壊滅状態に追い込まれた。中国当局への不満が鬱積し、ネットでは中国にとってマイナスな出来事に喜びを見いだす人が少なくない。  選手の政治的な立場を詮索して批判するのをやめるように呼びかける投稿もあるが、成績以外に注目が集まる流れは続きそうだ。


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。