敗者復活戦で必死に戦う新添左季選手に拍手を送るパブリックビューイングの観客ら=橿原市のかしはら万葉ホールで2024年7月31日午後11時10分、皆木成実撮影

 「左季ちゃん、よく頑張った」。パリ・オリンピックの女子柔道70キロ級に初出場した奈良県橿原市出身の新添左季選手(28)=自衛隊=は7月31日夜(日本時間)の準々決勝で敗れ、敗者復活戦も敗退した。市内で開かれたパブリックビューイング(PV)に詰めかけた約350人は満場の拍手で健闘をたたえた。

 「情けない」。優勝候補だった新添選手は試合後のインタビューで悔しさと日本代表の重圧を語り、幼い頃の「泣き虫左季ちゃん」に戻った。親友で元柔道選手の村井惟衣さん(26)も目を潤ませ「つらかったのだろう」と思いやった。

新添左季選手=橿原市分庁舎で2023年5月23日午前11時48分、皆木成実撮影

 「自分の思いを正直に語る姿は、むしろかっこいいと思った」。新添選手が競技を始めた橿原市柔道クラブの主将で桜井市立城島小6年、浦崎亮盛(りょうせい)さん(11)は大先輩をたたえた。

パブリックビューイング会場で、観客にあいさつする新添左季選手の父・愛正さん=橿原市のかしはら万葉ホールで2024年7月31日午後10時47分、皆木成実撮影

 PV終了後にステージに立った父親の新添愛正(なるまさ)さん(56)は「夢舞台に立つことができたのも皆さんの応援のお陰」と感謝を述べた。

 大学時代はサッカー選手だった亀田忠彦市長は「(自分は)関西大会出場でさえ大変だった。その何十倍ものプレッシャーに耐えていたと思うと胸が痛い。橿原に帰ってきたら健闘をたたえたい」と話していた。【皆木成実】

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