柔道女子70キロ級準々決勝で敗れ、肩を落とす新添左季=シャンドマルス・アリーナで2024年7月31日、平川義之撮影

 パリ・オリンピック第6日の31日、柔道女子70キロ級が行われ、初出場の新添左季(28)=自衛隊=が準々決勝、敗者復活戦と敗れてメダルを逃した。

 柔道女子は初日以降、今ひとつ波に乗れないまま、競技終盤を迎えている。

 日本勢3大会連続金メダル獲得を期待された70キロ級での新添左季の不振も象徴的だった。

 サネ・ファンダイケ(オランダ)との準々決勝。女子の増地克之監督によると、開始早々に左腕を負傷した。相手の引きつける力に抵抗しようとして、突っぱねた時に違和感を覚えたという。

 腕に力がうまく入らないまま思うような柔道はできず、中盤に小外刈りを食らうと、そのまま局面を変えられずに敗退。敗者復活戦でも痛みは引かず、相手を攻めあぐねて指導三つによる反則負けでメダルも逃した。

 2023年世界選手権金メダリストは、初出場の五輪に「頭が真っ白になってしまって、気づいたら指導を取られていた」。この階級自体への期待が、重荷になってしまっていた。

 初日は48キロ級の角田夏実(SBC湘南美容クリニック)の金メダルで盛り上がったが、52キロ級の東京五輪女王・阿部詩(パーク24)の2回戦敗退を含め、表彰台の頂上が遠い。これで、2日連続のメダルなし。増地監督は「(地元の)欧州勢の目の色が違う」。個人種目7階級中6階級で表彰台に立った自国開催の東京五輪とは一転して苦境に立たされている。【パリ岩壁峻】

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